「古着はどのサイズを選べば失敗しないの?」 ——答えはシンプルです。古着のサイズは、タグのS・M・Lではなく実寸で選ぶと安定します 。同じMでもブランドや年代で実寸が変わるため、表記だけを頼ると失敗します。手持ちで一番よく着ている服を平置きで測り、その数値との差分で比べるのが確実です。
本記事では、実寸9項目の測り方と、US・EU・日本のサイズ表記の対応を整理しました。狙うシルエット別の加算目安、通販での確認手順、アイテム別と素材別の勘所までまとめています。読み終えるころには、目の前の一着を買うか見送るかを、数字で判断できます。
サイズ感を体で覚えるなら、実際に手に取って試せる店舗が近道です。 自分のペースでゆっくり古着を選べる、無人・省人型の古着屋をのぞいてみてください。
この記事はこんな方におすすめ
古着のサイズ表記が当てにならず、選び方の基準がほしい方 実寸をどこからどこまで測ればよいのかを知りたい方 試着できない通販やフリマで、サイズ失敗を減らしたい方 目次
Chapter 1: 古着のサイズは実寸で決まる 表記の読み方と実寸9項目の測り方 古着のサイズ感とは、タグのS・M・Lではなく着丈や身幅などの実寸で決まる着用感のことで、同じ表記でもブランドや年代によって実寸が変わります。 まずは表記との付き合い方を決め、9つの実寸をどこから測るかを固めましょう。
古着のサイズはタグ表記ではなく実寸で判断する サイズ判断の主役は、タグの表記ではなく実寸 です。実寸(服を平らに置いて測った寸法)だけが、個体ごとに共通で使える物差しだからです。
タグの表記は、生産国とブランドの基準で決まります。そのうえ古着は、洗濯で縮んだり伸びたりした状態で店頭に並びます。タグが摩耗して読めない個体、後から別のタグに付け替えられた個体もあります。表記は年代とブランドを推し量る手がかりとして使い、買う判断は実寸で下しましょう。
トップスの実寸4項目 着丈・身幅・肩幅・袖丈をどこから測るか トップスは着丈・身幅・肩幅・袖丈の4項目 で着姿がほぼ決まります。
身幅は胴回りのゆとりを決め、2cmの差でも見え方が動きます。肩幅は肩線がどこに落ちるかを決め、シルエットの骨格を作ります。着丈は全身のバランス、袖丈は手首の見え方を左右します。4項目のうち、まず身幅と着丈を押さえると判断が速くなります。
測るときの起点は、必ず縫い目 に取ります。生地の端やカーブを追うと、同じ服でも数cm長く出ます。4項目の起点と終点は下の早見表にまとめました。
トップスの実寸4項目 測る起点と終点 誤差が出やすいポイント 着丈 肩の縫い目の最も高い位置から裾まで 後ろ襟から測ると数cm長く出る 身幅 左右の脇下の縫い目から縫い目まで 生地を引っ張ると2cm前後広がる 肩幅 左右の肩の付け根の縫い目から縫い目まで 肩線のカーブを追うと長く出る 袖丈 肩の付け根から袖先まで 袖山の丸みを追うと長く出る
ボトムスの実寸 ウエスト・股上・股下・わたり幅・裾幅の見方 ボトムスはウエスト・股上・股下に、わたり幅と裾幅を足した5項目 で見ます。トップスの4項目だけでは、パンツのシルエットは決まりません。
平置きで測ったウエストは、数値を2倍して一周の寸法に直します。股上は腰の位置を、股下は裾の落ち方を決める数値です。股上が深い年代の古着は、同じウエストでも腰の位置が高く見えます。
わたり幅(股下の縫い目から直角に測った太ももの幅)と裾幅の差 が、シルエットの正体です。差が大きければテーパード、差が小さければストレート、どちらも数値が大きければワイドに寄ります。ウエストだけを合わせて買うと、太ももがきつい一本を引き当てます。
ボトムス5項目の起点と終点は、下の表のとおりです。
ボトムスの実寸5項目 測る起点と終点 誤差が出やすいポイント ウエスト ベルト上端を左右の端から端まで ゴム入りは引っ張ると数cm広がる 股上 ウエスト上端から股の縫い目の交点まで 前側と後ろ側で数値が変わる 股下 股の縫い目の交点から裾まで 裾上げ済みは表記より短い わたり幅 股下の縫い目から直角に測った太ももの幅 測る高さが数cmずれると値が変わる 裾幅 裾の開き口を端から端まで 折り返しを伸ばすか先に決める
平置きで測る手順 縫い目を起点にメジャーを直線で当てる 平置きの実寸は、シワを伸ばして直線で測る と数値が安定します。同じ服でも、置き方とメジャーの当て方で1〜2cmは平気でずれるからです。
平らな床かテーブルに置き、手のひらでシワを伸ばす 前身頃を上にし、ボタンとファスナーは留めておく メジャーは生地に浮かせず、カーブを追わず直線で当てる 起点は縫い目に取り、早見表の起点と終点のとおりにメジャーを当てる 生地を引っ張らず、置いたままの幅を読む ニットやスウェットは伸びるため、若干の誤差が残ります。平置き実寸は1〜2cm程度の誤差を見込んだ数値 として扱いましょう。1cm差で迷ったときは、実寸ではなく素材の伸び方で決めると迷いが減ります。
一番よく着る服を測って自分の基準値シートをつくる サイズ選びの精度は、自分の基準値を持っているかどうか で決まります。基準がなければ、古着の実寸を見ても大きいのか小さいのか判断できません。
手持ちの服から、アイテム種別ごとに「一番よく着ている1枚」を選びます。Tシャツ、スウェット、シャツ、アウター、パンツの5種があれば十分です。それぞれを平置きで測り、トップスは4項目、パンツは5項目の数値をスマホのメモに書き出します。買い物中に開ければ、その場で差分を計算できます。
基準にする1枚は、比べたい古着と同じアイテム種から選ぶ のがコツです。Tシャツの数値でアウターを判断しても、インナー分の余裕がずれます。体型が変わったときと、季節が一巡したタイミングで測り直しましょう。
基準にする1枚がないときは自分のチェストから身幅を逆算する 手持ちに基準となる1枚がないときは、自分のチェストを測って身幅に翻訳します 。
平置きの身幅は、胴回りを一周させて測ったチェストのおよそ半分に、ゆとり分を足した数値です。式にすると「身幅=チェスト÷2+ゆとり」になります。チェスト96cmの方がジャストに着たいなら、身幅52cm前後が出発点です。手持ちの1枚があるなら差分で、無いならこの式で当たりを付けましょう。
狙うシルエット チェストの半分に足すゆとりの目安 ジャスト +3〜5cm やや大きめ +6〜9cm オーバーサイズ +10cm以上
ゆとりの数値は目安で、生地の厚みと中に着る枚数で前後します。日本産業規格のサイズ表示も、チェストやウエストという身体の寸法が基準です。体の数値を1つ持っておくと、タグの表記が何を指しているかを読み取れます。チェストは脇の下と肩甲骨を通るように、メジャーを水平に一周させて測ります。
店頭で試着できるときはメジャーと肩の縫い目で確かめる 店頭で試着できる古着は、数値と体感を同時に確かめられる のが強みです。
持ち込むのは小型のメジャー1本で足ります。平置きにできる台があれば、身幅と着丈だけ測って基準値と引き算します。試着後は、肩の縫い目が肩先のどこに落ちているかを鏡で見ます。腕を前に回して脇が突っ張らないかは、その場でしか分からない情報です。
マネキンが着ている1着は、店側がシルエットの出方を確かめて選んだ個体です。サイズ感の当たりを付ける手がかりとして見ておくと、棚を探す時間が短くなります。
古着の買い方・状態の見極め・衛生といった全体の流れは、初心者向けの記事が担当しています。本記事はその中のサイズだけを引き取り、採寸して数値で決めるところまで掘り下げました。役割を分けているので、順番に読むと基礎と実務がつながります。
▶ 古着選びの全体像(買う場所・状態チェック・衛生)は 古着初心者の始め方 選び方とサイズ 衛生の不安まで解説
Chapter 2: US・EU・日本のサイズ対応と同じ表記で実寸が違う理由 古着の棚には、S・M・Lの表記、44や48の数字、W32のインチ表記 が同居しています。表記の出どころが分かれば、タグを見た瞬間に実寸のあたりを付けられます。
アルファベット表記とインチ表記の読み方 タグが消えている古着の見方 古着のサイズ表記は、アルファベット・数字・インチの3系統 に整理できます。
アルファベットはXSからXLまでの段階表記で、US製とUK製に多く見られます。44や48といった数字は欧州の表記で、ジャケットやコートで使われます。W32×L34のようなインチ表記はボトムスの標準で、Wがウエスト、Lが股下です。Fやフリーサイズは基準そのものが決まっていないため、実寸でしか判断できません。
タグが摩耗して読めない古着は、洗濯表示のタグ側に表記が残っていること があります。それでも見つからない場合は、表記を諦めて実寸だけで判断しましょう。タグが無いことは減額の理由になっても、サイズが分からない理由にはなりません。
US・UK・EU・日本のサイズ表記の対応と換算の考え方 表記の対応は、チェストの寸法を軸に置くと整理できます 。下の対応表は、店頭で目星を付けるための出発点という位置づけです。
US・UKの表記 EUの数字表記 日本の表記の目安 チェストの目安 XS 44 S 約86〜91cm(34〜36インチ) S 46 M 約91〜97cm(36〜38インチ) M 48 L 約97〜102cm(38〜40インチ) L 50 XL 約102〜107cm(40〜42インチ) XL 52 2XL 約107〜112cm(42〜44インチ) 2XL 54 3XL 約112〜117cm(44〜46インチ)
インチ表記は1インチ=2.54cmで換算し、W32ならウエスト約81cmが目安です。換算表は出発点であり、最終判断は実寸で下します。 すべての古着に共通する統一のサイズ表は存在しないためです。
日本の成人向け衣料のサイズ表記は、日本産業規格(JIS) に区分が定められています。成人男子用はJIS L 4004、成人女子用はJIS L 4005が該当し、いずれも2023年3月20日に改正されました。JISのサイズ表示が示すのは服の実寸ではなく、チェストやウエストという着る人の身体寸法です。同じ表記でも服の実寸が一致しない理由は、この定義の違いにあります。
そのうえサイズ表示は法定表示ではありません 。繊維製品で表示が義務づけられているのは、繊維の組成・家庭洗濯等取扱方法・はっ水性の3項目です。根拠は繊維製品品質表示規程(平成29年消費者庁告示第4号)で、寸法は義務表示に含まれていません。米国や欧州のブランドも自社の基準で表記を決め、購入前に実寸を確認するよう案内しています。
レディースの号数表記の読み方 2023年の改正で体型区分が消えた レディースの古着は、号数と体型記号を読み分ける と迷いが減ります。
JIS L 4005は、サイズの示し方を2通りに分けています。フィットさせる衣料は3・5・7・9・11号のような号数表示、フィット性を求めない衣料はSSからLLの範囲表示です。号数はバスト・ヒップ・身長の組み合わせで決まり、9号はバスト83cm・ヒップ91cm・身長158cmが該当します。
レディースの表記 示している内容 古着で見るときの注意 号数表示(3〜21号) バスト・ヒップ・身長の組み合わせ 独自号数を使うブランドがある 範囲表示(SS〜6L) フィット性を求めない衣料の区分 同じMでも実寸の幅が広い 身長記号(PP・P・R・T) 142・150・158・166cmの区分 数字だけ見て記号を読み飛ばさない 体型記号(A・Y・AB・B) 2023年3月20日の改正で削除 改正前のタグにだけ残る表記
押さえておきたいのが、2023年3月20日の改正でA体型・Y体型・AB体型・B体型の体型区分表示が削除された 点です。改正より前に作られた古着のタグには、体型記号が付いた表記が残っています。現行品と読み方が違うため、記号は年代を推し量る手がかりとして扱いましょう。
古着に大きいサイズが多いのはなぜか US規格と日本規格の差 古着に大きいサイズが多い理由は、US規格が日本のJIS区分より大きい体格を前提にしている ためです。
US製のXLは、上の対応表では日本の2XL相当に位置します。チェストの差は5cm前後が目安です。さらに大きい体格向けには、キングサイズ(大きいサイズ向けの表記)を用意するブランドもあります。1980〜90年代に流通したボックスシルエット(身幅が広く着丈が短い型紙)も、いま見ると大きめに映ります。
ここで注意したいのが、同じXLでも年代によって身幅が変わる 点です。ビッグサイズを狙うときほど、表記ではなく身幅と着丈の実寸を確認しましょう。なお、需要が集中して品薄になりやすいサイズ帯は、一般に「ゴールデンサイズ」と呼ばれます。呼び方も範囲も店によって異なるため、値付けの目安として受け取る程度にとどめるのが無難です。
同じMでも実寸が違う理由 グレーディング基準とシルエット思想の違い 同じMでも実寸が違うのは、サイズを決める基準がブランドごとに独立している からです。理由は4つに整理できます。
グレーディング(サイズを1段階ずつ広げる刻み幅)の基準がブランドで違う 年代ごとのシルエット思想が違う(1980〜90年代は身幅広め、2000年代以降は細身寄り) 生産国と向け先市場が違い、同じ表記でも想定体型が変わる 洗濯による縮みや伸び、タグの摩耗や付け替えで表記と現物がずれる 4つの要因は同時に効きます。だからこそ、表記が同じ2着を並べても実寸は別物 になります。年代の違う同ブランド品は、1着ずつ測ってから並べます。
4要因のうち、店頭で見分けやすいのは年代です。一般に、作られた時期ごとに狙うシルエットの傾向が分かれます。
作られた年代 身幅と着丈の傾向 サイズ選びの目安 1980年代以前 身幅も着丈も小さめに出る 表記より1段階上を候補に入れる 1990年代 身幅が広く着丈は短め 表記どおりでも大きめに感じる 2000年代以降 現行の日本サイズに近い 手持ち比の差分がそのまま効く
表の傾向は出発点で、ブランドと品番によって外れる個体もあります。年代の古い1着ほど、表記を信じずに測る価値が上がります。
Chapter 3: ジャストとオーバーサイズ 手持ち比プラス何センチで狙うか 実寸を測れるようになったら、次は手持ち比で何cm足すか を決めます。狙うシルエットを数字にしておくと、迷う時間が一気に減ります。
ジャストに着るなら手持ち比プラス0〜2cmを目安にする ジャストに着たいときは、基準値とほぼ同じ身幅を選ぶ のが近道です。
身幅が基準値を大きく超えると、肩の位置が合っていても胴回りが泳ぎます。逆に基準値を下回ると、腕を上げたときに脇が突っ張ります。肩幅は動きに直結するため、身幅より狭い幅で合わせるのがポイントです。着丈は腰骨のどこに落ちるかで印象が変わるので、上下どちらのぶれも小さく抑えます。
オーバーサイズを狙うときの身幅・肩幅・着丈の加算目安 オーバーサイズは、身幅・肩幅・着丈を同じ比率で足す と形が決まります。1項目だけ大きい服は、狙って着たようには見えません。
狙うシルエット 身幅 肩幅 着丈 ジャスト +0〜2cm +0〜1cm ±0〜2cm やや大きめ +3〜5cm +2〜3cm +2〜4cm オーバーサイズ +5〜8cm +4〜6cm +4〜8cm
表の数値は手持ちの基準値に足す目安 で、体型と好みで前後します。身長が低めの方は、着丈の加算を+4cm以内に抑えると収まります。袖丈は折り返して調整できますが、着丈は着たまま調整できません。迷ったら着丈を優先して選ぶ と、全身の収まりが安定します。
ドロップショルダーの古着は肩幅が指標にならない ドロップショルダー(肩の縫い目が肩先より下がった型)の古着は、肩幅の実寸で判断できません 。
この型は、肩線を落とすことを前提に型紙が引かれています。肩幅の数値は体の肩幅と対応せず、大きい数値が出ても着られないわけではありません。判断は身幅・着丈・袖丈の3項目 に切り替えます。袖丈は肩が落ちるぶん長く出るため、基準値より2〜3cm長くても手首に収まります。
設計としてそうなっている裏付けは、メーカーの公式資料で取れます。ワークウェアのCarharttは公式のサイズガイドで、ゆったりした型を「肩の縫い目が落ちる」設計と定義しています。フィットの呼称が付いた古着は、呼称の意味を公式で読んでから実寸を見ると外しません。
メンズの古着をレディースが選ぶときの見方 メンズの古着を選ぶときは、肩幅と袖丈が余る前提で組み立てます 。
メンズとレディースでは、同じチェストでも肩幅の設計が違います。肩を落として着る前提でサイズを決めるか、着丈が短めの個体を選ぶと収まります。ウエストの位置で形を作れるシャツやワンピース型は、身幅が大きくても着こなせます。ボトムスはウエストよりわたり幅が余りやすいので、裾幅との差を先に確認しましょう。
Chapter 4: 試着できない通販とフリマでサイズ失敗を避ける手順 試着できない買い物では、商品ページの実寸をどこまで信用できるか が勝負を分けます。返品の可否も含め、買う前に確認する順番を決めておきましょう。
商品ページの実寸表記で確認する4点 単位・平置きか着用時か・採寸箇所・誤差表記 実寸表記は、4点がそろって初めて使える数値 になります。
単位がcmかインチか、平置き実寸か着用時の寸法か、どこからどこまで測った値か、誤差の但し書きがあるか。この4点のいずれかが欠けている出品は、実寸不明として扱うのが安全です。とくに肩幅と身幅は、採寸箇所の違いで数cm変わります。
確認項目 信頼できる記載 見送りたい記載 単位 「cm」と明記されている 単位がない・インチと混在 採寸方法 「平置き実寸」と明記 着用時の寸法か判別できない 採寸箇所 「肩幅=肩の付け根から付け根」等の説明あり 数値だけで箇所の説明がない 誤差 「1〜2cmの誤差あり」の但し書き 誤差に触れず数値だけ並ぶ 問い合わせ 追加の採寸依頼に回答がある 質問しても採寸値が返らない
出品者に採寸値を聞くときの質問文の型 採寸値を聞くときは、採寸箇所まで指定して質問します 。「サイズ感を教えてください」では、主観の答えしか返りません。
トップスなら、そのまま使える型があります。「購入を検討しています。平置きでの実寸を教えてください。肩幅は肩の付け根から付け根、身幅は脇下から脇下でお願いします。着丈は肩の縫い目から裾、袖丈は肩の付け根から袖先の4点です。」
ボトムスは、4点をウエスト・股上・股下・わたり幅・裾幅 に置き換えます。返答の数値がそろえば、基準値との差分をその場で計算できます。回答が得られない場合は、その1着は候補から外して構いません。
サイズ選びで買ってはいけない1着の見分け方 サイズの観点で買ってはいけないのは、数値で検算できない1着 です。
実寸の記載がなく、質問しても採寸値が返ってこない 掲載写真が着用カットだけで、平置きの全体像が分からない 表記と実寸が食い違い、どちらが正しいか説明がない 「サイズ直せば着られます」と前提が買い手に委ねられている 値段が魅力的でも、この4つに当てはまる1着は見送って構いません。古着は同じ型がまた出てくるため、判断できない個体を無理に取りに行かない ほうが結果的に得をします。
返品不可を前提にしたときの買う・見送るの判断基準 返品不可の買い物では、差分が目安レンジに収まるときだけ買う と決めておきます。
手順はシンプルです。商品ページの実寸から基準値を引き、項目ごとの差分を出します。その差分が狙うシルエットの加算目安に収まれば購入、外れていれば見送りです。平置き実寸には1〜2cm程度の誤差が乗るため、レンジの端ぎりぎりの個体は避けると失敗が減ります。
返品の可否と採寸の方法は、出品者や店舗によって異なります。購入前に商品ページの記載と、利用するサービスの公式ガイドを確認しておきましょう。
Chapter 5: アイテム別に見る古着のサイズ感の勘所 同じ実寸9項目でも、アイテムごとに最優先で見る項目は入れ替わります 。ここからは、種類別に「どの数値から見るか」と「どこまでのずれを許容するか」を整理します。
Tシャツは身幅と着丈で決まる US製は同表記でも身幅が広い Tシャツで最優先に見るのは身幅 、次が着丈です。許容できるずれは、身幅で±2cm程度が目安になります。
肩幅は生地の落ち方で印象が変わるため、数値の優先度が下がります。US製のTシャツは、同じ表記でも身幅が数cm広い傾向があります。手持ちのTシャツとの差分で見れば、この傾向に振り回されずに済みます。着丈は、ボトムスにインするかどうかで許容幅が変わる項目です。
スウェットは肉厚な生地で大きめに感じる 洗濯後の縮み込みを見込む スウェットは身幅と着丈 を軸に見ます。生地が肉厚なぶん、同じ身幅でもTシャツより大きく感じます。
綿のスウェットは、洗うと着丈と身幅が詰まる個体があります。すでに何度も洗われた古着は縮みが落ち着いている一方、デッドストックに近い個体は購入後に縮む前提で選ぶと安心です。リバースウィーブ(編み地を横向きに使い、縦の縮みを抑えた仕様) は、丈が詰まりにくいぶん身幅の余りが目立ちます。着丈より身幅の差分を優先して判断しましょう。
▶ 洗濯後の縮みを抑える洗い方は 古着の洗濯方法を完全ガイド 色落ち・縮み・ニオイを防ぐ洗い方
デニムはウエスト実寸とわたり幅・裾幅で見る インチ表記と年代差 デニムはウエストの実寸 を最初に確認し、次にわたり幅と裾幅を見ます。ウエストの許容は±1.5cm程度が目安です。
インチ表記は、同じW32でも年代とモデルで実寸が違います。加えて古着のデニムは、前の持ち主の着用でウエストが伸びている個体があります。裾上げ済みで股下が短くなっている個体も珍しくありません。定番モデルであっても、表記だけで選ばず1本ずつ測るのが確実です。
シルエットを決めるのは、わたり幅と裾幅の差 です。年代によって型紙が引き直されるため、同じ品番でもテーパードの効き方に差が出ます。太もものきつさが気になる方は、わたり幅から見ると外しません。
スラックス・チノは股上と裾幅で印象が変わる スラックスとチノパンは、股上 を最優先で確認します。ウエストが合っていても、股上が浅いと腰の位置が下がって見えます。
股上が深い個体はウエスト位置が高くなり、脚が長く見えます。裾幅は、靴の甲にどれだけ生地がかかるかを決める数値です。裾上げで長さは調整できますが、股上と裾幅は後から変えられません。調整できない項目から先に判断する のが、ボトムス選びの鉄則です。
アウターはインナー分の余裕を見込んで身幅と肩幅を選ぶ アウターは身幅と肩幅 を軸に、中に着る1枚分の余裕を足して選びます。ニットやスウェットを想定するなら、身幅で+3cm前後を見込みます。
Gジャン、革ジャン、オイルドジャケットは、着丈が短めの型が主流です。インナーの着丈が長いと裾がはみ出すため、手持ちの服との重なりを先に確かめておきます。袖丈は、腕を前に出したときに手首が出すぎないかで見ます。厚手のインナーを着ると、袖の可動域は数cm分狭くなります。
シャツは肩幅と裄丈を優先し身幅は手持ち比で調整する シャツは肩幅と裄丈(首の後ろの中心から肩を通って袖先までの長さ) を優先します。肩の縫い目が肩先からずれると、それだけで着崩れて見えるためです。
身幅は、羽織るのか1枚で着るのかで必要なゆとりが違ってきます。1枚で着るなら基準値に近づけ、羽織るなら余裕を足すと使い分けやすくなります。フィット名(各ブランドが独自に付けたシルエットの呼称)は、名称ごとに実寸が違います。 気になるブランドがあれば、公式の採寸表を確認してから買いましょう。
素材で変わる縮みと伸び 1cm差で迷ったときの決め方 実寸が1cm差で並んだときは、素材の動き方で決める と後悔が減ります。
綿100%は、洗うと寸法が詰まる方向に動きます。ポリエステル混は寸法が安定し、買ったときの数値がほぼそのまま残ります。ウールは洗い方を誤ると縮絨(繊維が絡み合って縮む現象)が起き、元の寸法には戻りません。レーヨンは水を含むと縮むため、洗濯表示で家庭洗濯の可否を確かめてから選びます。
素材 洗濯後の寸法の動き 1cm差で迷ったときの判断 綿100% 詰まる方向に動く 大きい方を選ぶ 綿・ポリエステル混 動きにくい 実寸どおりに判断できる ウール 縮絨で不可逆に縮む ジャストにせず余裕を残す レーヨン・キュプラ 水を含むと縮む 洗濯表示を先に確認する
デニムとコットンシャツも例外ではありません。防縮加工が定着する前の年代の個体は、洗いで寸法が動いた状態で店頭に並びます。ジーンズを扱うブランドの公式案内でも、未洗いの製品は洗濯時に縮む可能性があるとして、縮みの目安を商品ごとに示すと説明されています。
ブランドごとに違うフィット呼称の読み方 公式の採寸表を出発点にする ブランド名から実寸を当てにいくより、公式が公開しているフィット呼称の定義 を読むほうが正確です。
Carharttは、公式のサイズガイドでフィットを3種に定義しています。Loose Fitは肩の縫い目が落ち、袖丈と着丈も長めに取られた型です。Relaxed Fitは体に近い線で、袖と着丈は短めに設定されています。公式は、チェストがサイズの中間に来る場合は大きい方を選ぶよう案内しています。
Championは、スウェットのリバースウィーブについて縦の縮みを抑える製法だと説明しています。両脇のガゼット(動きやすさを助ける当て布)が、横方向の縮みの影響も抑える仕様です。Levi’sの公式オンラインストアは、表記が米国サイズかインチであると明記し、購入前に商品ごとの実寸を確認するよう案内しています。
ブランド 表記で押さえる点 先に見る実寸 Carhartt Loose・Relaxed・Slimのフィット呼称 身幅・肩幅・袖丈 Champion リバースウィーブ仕様かどうか 身幅(着丈は詰まりにくい) Levi’s 米国サイズとインチ表記 ウエスト・わたり幅・裾幅
公式の採寸表が効くのは、現行品と同じ型が続いている場合に限られます。生産年が古い個体は、公式の数値と実物がずれます。公式は当たりを付ける道具として使い、最後は目の前の1着を測って決めましょう。
買う前に確認する古着のサイズチェックリスト ここまでの判断材料を、レジに向かう前に見返せる形にまとめました。表記ではなく数値で答えられるか を、1項目ずつ確かめてください。
手持ちの基準値(トップス4項目・ボトムス5項目)を手元に出したか 実寸が平置きの数値か、着用時の数値かを確かめたか 採寸箇所の起点と終点が、自分の測り方とそろっているか 身幅と着丈の差分が、狙うシルエットの加算目安に収まっているか 肩の縫い目が落ちる型かどうかを、肩幅の数値より先に確認したか わたり幅と裾幅の差を見て、太もものきつさを検算したか 素材と洗濯表示から、購入後に寸法が動く余地を見込んだか 返品の可否と、採寸の質問に回答が得られるかを確かめたか 1〜2cmの誤差を差し引いても、目安のレンジ内に収まっているか 9項目のうち答えられないものが2つ以上あるなら、その1着は保留にしておきましょう。古着は同じ型が繰り返し流通するため、判断材料のそろった個体を待つほうが結果的に早く決まります。
古着のサイズ選びで迷ったら?FAQ 古着のサイズ感と選び方について、よく寄せられる質問をまとめました。
古着Tシャツのサイズ感はどうしたらいいですか? タグのS・M・Lは基準にせず、身幅と着丈の実寸 で判断します。手持ちで一番よく着ているTシャツを平置きで測り、その数値との差分で比べます。US製は同じ表記でも身幅が数cm広い傾向があるため、表記だけで選ぶと大きすぎることがあります。
古着のサイズ表記と実寸が合わないのはなぜですか? 洗濯による縮みや伸び、年代ごとの型紙の変更、タグの摩耗や付け替えが主な原因です。サイズ表記は参考値として扱い、着丈・身幅・肩幅・袖丈の実寸 で最終判断します。平置き実寸には1〜2cm程度の誤差が出る点も見込んでおくと安心です。
実寸表記のない古着はどう判断すればよいですか? 通販やフリマでは、出品者に平置きの実寸を問い合わせます。店舗ではメジャーを持参するか、試着ができるかを確認します。実寸が分からないまま買わないこと が、サイズ失敗を避ける基本です。
古着のサイズ表はありますか? すべての古着に共通する統一のサイズ表は存在しません。ブランド・年代・生産国で基準が違うためです。US・EU・日本の換算表は出発点として使い、最終判断は実寸で行います 。
レディースがメンズの古着を選ぶときのコツは? 肩幅と袖丈が余りやすいので、肩を落として着る前提でサイズを選ぶか、着丈の短いものを選びます。ウエストの位置で形を作れるアイテムなら、身幅が大きくてもバランスを取りやすくなります 。
古着で大きめのサイズはどんなものがありますか? US規格のXL・2XL、キングサイズ表記、1980〜90年代のボックスシルエットが代表的です。ただし同じXLでも年代によって身幅に差が出ます 。表記だけで選ばず、身幅と着丈の実寸で確かめましょう。
古着のサイズが合わなかったらどうすればいいですか? 裾上げやウエスト詰めなど、部分的なお直しで調整できる場合があります。大幅なサイズダウンは形が崩れるため難しく、ヴィンテージは手を入れると価値が下がることもあります 。依頼前に店舗へ相談してください。
服のサイズで迷ったらどうしたらいいですか? 手持ちで一番よく着ている服を平置きで測り、その数値を基準に比較します。試着できる店では、肩の縫い目の位置と、腕を上げ下げしたときの突っ張り を確認します。数値と着心地の両方で判断すると失敗が減ります。
まとめ:古着のサイズ感は実寸と手持ち比較で決まる 古着のサイズ選びは、3つの手順に落とし込めます 。第一に、タグ表記ではなく実寸9項目で判断すること。第二に、手持ちで一番よく着ている服を測って基準値にし、差分で選ぶこと。第三に、狙うシルエットの加算目安に収まるかで、買うか見送るかを決めることです。
数字で判断できるようになると、古着選びはぐっと気楽になります。まずは実際の店舗で、手に取ったときのサイズ感を確かめてみてください。
記事情報 公開日:2026年8月25日 / 最終更新日:2026年8月25日 運営:株式会社AVEND 参照ソース 株式会社AVEND 公式サイト 日本産業標準調査会(JIS L 4004:2023 成人男子用衣料のサイズ/JIS L 4005:2023 成人女子用衣料のサイズ) 繊維製品品質表示規程(平成29年消費者庁告示第4号) 各ブランド公式のサイズガイド(Carhartt/Champion/Levi’s)
古着のサイズ感と選び方 実寸の測り方と手持ち比+何cm【2026年最新版】
「古着はどのサイズを選べば失敗しないの?」——答えはシンプルです。古着のサイズは、タグのS・M・Lではなく実寸で選ぶと安定します。同じMでもブランドや年代で実寸が変わるため、表記だけを頼ると失敗します。手持ちで一番よく着ている服を平置きで測り、その数値との差分で比べるのが確実です。
本記事では、実寸9項目の測り方と、US・EU・日本のサイズ表記の対応を整理しました。狙うシルエット別の加算目安、通販での確認手順、アイテム別と素材別の勘所までまとめています。読み終えるころには、目の前の一着を買うか見送るかを、数字で判断できます。
サイズ感を体で覚えるなら、実際に手に取って試せる店舗が近道です。自分のペースでゆっくり古着を選べる、無人・省人型の古着屋をのぞいてみてください。
Chapter 1: 古着のサイズは実寸で決まる 表記の読み方と実寸9項目の測り方
古着のサイズ感とは、タグのS・M・Lではなく着丈や身幅などの実寸で決まる着用感のことで、同じ表記でもブランドや年代によって実寸が変わります。まずは表記との付き合い方を決め、9つの実寸をどこから測るかを固めましょう。
古着のサイズはタグ表記ではなく実寸で判断する
サイズ判断の主役は、タグの表記ではなく実寸です。実寸(服を平らに置いて測った寸法)だけが、個体ごとに共通で使える物差しだからです。
タグの表記は、生産国とブランドの基準で決まります。そのうえ古着は、洗濯で縮んだり伸びたりした状態で店頭に並びます。タグが摩耗して読めない個体、後から別のタグに付け替えられた個体もあります。表記は年代とブランドを推し量る手がかりとして使い、買う判断は実寸で下しましょう。
トップスの実寸4項目 着丈・身幅・肩幅・袖丈をどこから測るか
トップスは着丈・身幅・肩幅・袖丈の4項目で着姿がほぼ決まります。
身幅は胴回りのゆとりを決め、2cmの差でも見え方が動きます。肩幅は肩線がどこに落ちるかを決め、シルエットの骨格を作ります。着丈は全身のバランス、袖丈は手首の見え方を左右します。4項目のうち、まず身幅と着丈を押さえると判断が速くなります。
測るときの起点は、必ず縫い目に取ります。生地の端やカーブを追うと、同じ服でも数cm長く出ます。4項目の起点と終点は下の早見表にまとめました。
ボトムスの実寸 ウエスト・股上・股下・わたり幅・裾幅の見方
ボトムスはウエスト・股上・股下に、わたり幅と裾幅を足した5項目で見ます。トップスの4項目だけでは、パンツのシルエットは決まりません。
平置きで測ったウエストは、数値を2倍して一周の寸法に直します。股上は腰の位置を、股下は裾の落ち方を決める数値です。股上が深い年代の古着は、同じウエストでも腰の位置が高く見えます。
わたり幅(股下の縫い目から直角に測った太ももの幅)と裾幅の差が、シルエットの正体です。差が大きければテーパード、差が小さければストレート、どちらも数値が大きければワイドに寄ります。ウエストだけを合わせて買うと、太ももがきつい一本を引き当てます。
ボトムス5項目の起点と終点は、下の表のとおりです。
平置きで測る手順 縫い目を起点にメジャーを直線で当てる
平置きの実寸は、シワを伸ばして直線で測ると数値が安定します。同じ服でも、置き方とメジャーの当て方で1〜2cmは平気でずれるからです。
ニットやスウェットは伸びるため、若干の誤差が残ります。平置き実寸は1〜2cm程度の誤差を見込んだ数値として扱いましょう。1cm差で迷ったときは、実寸ではなく素材の伸び方で決めると迷いが減ります。
一番よく着る服を測って自分の基準値シートをつくる
サイズ選びの精度は、自分の基準値を持っているかどうかで決まります。基準がなければ、古着の実寸を見ても大きいのか小さいのか判断できません。
手持ちの服から、アイテム種別ごとに「一番よく着ている1枚」を選びます。Tシャツ、スウェット、シャツ、アウター、パンツの5種があれば十分です。それぞれを平置きで測り、トップスは4項目、パンツは5項目の数値をスマホのメモに書き出します。買い物中に開ければ、その場で差分を計算できます。
基準にする1枚は、比べたい古着と同じアイテム種から選ぶのがコツです。Tシャツの数値でアウターを判断しても、インナー分の余裕がずれます。体型が変わったときと、季節が一巡したタイミングで測り直しましょう。
基準にする1枚がないときは自分のチェストから身幅を逆算する
手持ちに基準となる1枚がないときは、自分のチェストを測って身幅に翻訳します。
平置きの身幅は、胴回りを一周させて測ったチェストのおよそ半分に、ゆとり分を足した数値です。式にすると「身幅=チェスト÷2+ゆとり」になります。チェスト96cmの方がジャストに着たいなら、身幅52cm前後が出発点です。手持ちの1枚があるなら差分で、無いならこの式で当たりを付けましょう。
ゆとりの数値は目安で、生地の厚みと中に着る枚数で前後します。日本産業規格のサイズ表示も、チェストやウエストという身体の寸法が基準です。体の数値を1つ持っておくと、タグの表記が何を指しているかを読み取れます。チェストは脇の下と肩甲骨を通るように、メジャーを水平に一周させて測ります。
店頭で試着できるときはメジャーと肩の縫い目で確かめる
店頭で試着できる古着は、数値と体感を同時に確かめられるのが強みです。
持ち込むのは小型のメジャー1本で足ります。平置きにできる台があれば、身幅と着丈だけ測って基準値と引き算します。試着後は、肩の縫い目が肩先のどこに落ちているかを鏡で見ます。腕を前に回して脇が突っ張らないかは、その場でしか分からない情報です。
マネキンが着ている1着は、店側がシルエットの出方を確かめて選んだ個体です。サイズ感の当たりを付ける手がかりとして見ておくと、棚を探す時間が短くなります。
古着の買い方・状態の見極め・衛生といった全体の流れは、初心者向けの記事が担当しています。本記事はその中のサイズだけを引き取り、採寸して数値で決めるところまで掘り下げました。役割を分けているので、順番に読むと基礎と実務がつながります。
▶ 古着選びの全体像(買う場所・状態チェック・衛生)は 古着初心者の始め方 選び方とサイズ 衛生の不安まで解説
Chapter 2: US・EU・日本のサイズ対応と同じ表記で実寸が違う理由
古着の棚には、S・M・Lの表記、44や48の数字、W32のインチ表記が同居しています。表記の出どころが分かれば、タグを見た瞬間に実寸のあたりを付けられます。
アルファベット表記とインチ表記の読み方 タグが消えている古着の見方
古着のサイズ表記は、アルファベット・数字・インチの3系統に整理できます。
アルファベットはXSからXLまでの段階表記で、US製とUK製に多く見られます。44や48といった数字は欧州の表記で、ジャケットやコートで使われます。W32×L34のようなインチ表記はボトムスの標準で、Wがウエスト、Lが股下です。Fやフリーサイズは基準そのものが決まっていないため、実寸でしか判断できません。
タグが摩耗して読めない古着は、洗濯表示のタグ側に表記が残っていることがあります。それでも見つからない場合は、表記を諦めて実寸だけで判断しましょう。タグが無いことは減額の理由になっても、サイズが分からない理由にはなりません。
US・UK・EU・日本のサイズ表記の対応と換算の考え方
表記の対応は、チェストの寸法を軸に置くと整理できます。下の対応表は、店頭で目星を付けるための出発点という位置づけです。
インチ表記は1インチ=2.54cmで換算し、W32ならウエスト約81cmが目安です。換算表は出発点であり、最終判断は実寸で下します。すべての古着に共通する統一のサイズ表は存在しないためです。
日本の成人向け衣料のサイズ表記は、日本産業規格(JIS)に区分が定められています。成人男子用はJIS L 4004、成人女子用はJIS L 4005が該当し、いずれも2023年3月20日に改正されました。JISのサイズ表示が示すのは服の実寸ではなく、チェストやウエストという着る人の身体寸法です。同じ表記でも服の実寸が一致しない理由は、この定義の違いにあります。
そのうえサイズ表示は法定表示ではありません。繊維製品で表示が義務づけられているのは、繊維の組成・家庭洗濯等取扱方法・はっ水性の3項目です。根拠は繊維製品品質表示規程(平成29年消費者庁告示第4号)で、寸法は義務表示に含まれていません。米国や欧州のブランドも自社の基準で表記を決め、購入前に実寸を確認するよう案内しています。
レディースの号数表記の読み方 2023年の改正で体型区分が消えた
レディースの古着は、号数と体型記号を読み分けると迷いが減ります。
JIS L 4005は、サイズの示し方を2通りに分けています。フィットさせる衣料は3・5・7・9・11号のような号数表示、フィット性を求めない衣料はSSからLLの範囲表示です。号数はバスト・ヒップ・身長の組み合わせで決まり、9号はバスト83cm・ヒップ91cm・身長158cmが該当します。
押さえておきたいのが、2023年3月20日の改正でA体型・Y体型・AB体型・B体型の体型区分表示が削除された点です。改正より前に作られた古着のタグには、体型記号が付いた表記が残っています。現行品と読み方が違うため、記号は年代を推し量る手がかりとして扱いましょう。
古着に大きいサイズが多いのはなぜか US規格と日本規格の差
古着に大きいサイズが多い理由は、US規格が日本のJIS区分より大きい体格を前提にしているためです。
US製のXLは、上の対応表では日本の2XL相当に位置します。チェストの差は5cm前後が目安です。さらに大きい体格向けには、キングサイズ(大きいサイズ向けの表記)を用意するブランドもあります。1980〜90年代に流通したボックスシルエット(身幅が広く着丈が短い型紙)も、いま見ると大きめに映ります。
ここで注意したいのが、同じXLでも年代によって身幅が変わる点です。ビッグサイズを狙うときほど、表記ではなく身幅と着丈の実寸を確認しましょう。なお、需要が集中して品薄になりやすいサイズ帯は、一般に「ゴールデンサイズ」と呼ばれます。呼び方も範囲も店によって異なるため、値付けの目安として受け取る程度にとどめるのが無難です。
同じMでも実寸が違う理由 グレーディング基準とシルエット思想の違い
同じMでも実寸が違うのは、サイズを決める基準がブランドごとに独立しているからです。理由は4つに整理できます。
4つの要因は同時に効きます。だからこそ、表記が同じ2着を並べても実寸は別物になります。年代の違う同ブランド品は、1着ずつ測ってから並べます。
4要因のうち、店頭で見分けやすいのは年代です。一般に、作られた時期ごとに狙うシルエットの傾向が分かれます。
表の傾向は出発点で、ブランドと品番によって外れる個体もあります。年代の古い1着ほど、表記を信じずに測る価値が上がります。
Chapter 3: ジャストとオーバーサイズ 手持ち比プラス何センチで狙うか
実寸を測れるようになったら、次は手持ち比で何cm足すかを決めます。狙うシルエットを数字にしておくと、迷う時間が一気に減ります。
ジャストに着るなら手持ち比プラス0〜2cmを目安にする
ジャストに着たいときは、基準値とほぼ同じ身幅を選ぶのが近道です。
身幅が基準値を大きく超えると、肩の位置が合っていても胴回りが泳ぎます。逆に基準値を下回ると、腕を上げたときに脇が突っ張ります。肩幅は動きに直結するため、身幅より狭い幅で合わせるのがポイントです。着丈は腰骨のどこに落ちるかで印象が変わるので、上下どちらのぶれも小さく抑えます。
オーバーサイズを狙うときの身幅・肩幅・着丈の加算目安
オーバーサイズは、身幅・肩幅・着丈を同じ比率で足すと形が決まります。1項目だけ大きい服は、狙って着たようには見えません。
表の数値は手持ちの基準値に足す目安で、体型と好みで前後します。身長が低めの方は、着丈の加算を+4cm以内に抑えると収まります。袖丈は折り返して調整できますが、着丈は着たまま調整できません。迷ったら着丈を優先して選ぶと、全身の収まりが安定します。
ドロップショルダーの古着は肩幅が指標にならない
ドロップショルダー(肩の縫い目が肩先より下がった型)の古着は、肩幅の実寸で判断できません。
この型は、肩線を落とすことを前提に型紙が引かれています。肩幅の数値は体の肩幅と対応せず、大きい数値が出ても着られないわけではありません。判断は身幅・着丈・袖丈の3項目に切り替えます。袖丈は肩が落ちるぶん長く出るため、基準値より2〜3cm長くても手首に収まります。
設計としてそうなっている裏付けは、メーカーの公式資料で取れます。ワークウェアのCarharttは公式のサイズガイドで、ゆったりした型を「肩の縫い目が落ちる」設計と定義しています。フィットの呼称が付いた古着は、呼称の意味を公式で読んでから実寸を見ると外しません。
メンズの古着をレディースが選ぶときの見方
メンズの古着を選ぶときは、肩幅と袖丈が余る前提で組み立てます。
メンズとレディースでは、同じチェストでも肩幅の設計が違います。肩を落として着る前提でサイズを決めるか、着丈が短めの個体を選ぶと収まります。ウエストの位置で形を作れるシャツやワンピース型は、身幅が大きくても着こなせます。ボトムスはウエストよりわたり幅が余りやすいので、裾幅との差を先に確認しましょう。
Chapter 4: 試着できない通販とフリマでサイズ失敗を避ける手順
試着できない買い物では、商品ページの実寸をどこまで信用できるかが勝負を分けます。返品の可否も含め、買う前に確認する順番を決めておきましょう。
商品ページの実寸表記で確認する4点 単位・平置きか着用時か・採寸箇所・誤差表記
実寸表記は、4点がそろって初めて使える数値になります。
単位がcmかインチか、平置き実寸か着用時の寸法か、どこからどこまで測った値か、誤差の但し書きがあるか。この4点のいずれかが欠けている出品は、実寸不明として扱うのが安全です。とくに肩幅と身幅は、採寸箇所の違いで数cm変わります。
出品者に採寸値を聞くときの質問文の型
採寸値を聞くときは、採寸箇所まで指定して質問します。「サイズ感を教えてください」では、主観の答えしか返りません。
トップスなら、そのまま使える型があります。「購入を検討しています。平置きでの実寸を教えてください。肩幅は肩の付け根から付け根、身幅は脇下から脇下でお願いします。着丈は肩の縫い目から裾、袖丈は肩の付け根から袖先の4点です。」
ボトムスは、4点をウエスト・股上・股下・わたり幅・裾幅に置き換えます。返答の数値がそろえば、基準値との差分をその場で計算できます。回答が得られない場合は、その1着は候補から外して構いません。
サイズ選びで買ってはいけない1着の見分け方
サイズの観点で買ってはいけないのは、数値で検算できない1着です。
値段が魅力的でも、この4つに当てはまる1着は見送って構いません。古着は同じ型がまた出てくるため、判断できない個体を無理に取りに行かないほうが結果的に得をします。
返品不可を前提にしたときの買う・見送るの判断基準
返品不可の買い物では、差分が目安レンジに収まるときだけ買うと決めておきます。
手順はシンプルです。商品ページの実寸から基準値を引き、項目ごとの差分を出します。その差分が狙うシルエットの加算目安に収まれば購入、外れていれば見送りです。平置き実寸には1〜2cm程度の誤差が乗るため、レンジの端ぎりぎりの個体は避けると失敗が減ります。
返品の可否と採寸の方法は、出品者や店舗によって異なります。購入前に商品ページの記載と、利用するサービスの公式ガイドを確認しておきましょう。
Chapter 5: アイテム別に見る古着のサイズ感の勘所
同じ実寸9項目でも、アイテムごとに最優先で見る項目は入れ替わります。ここからは、種類別に「どの数値から見るか」と「どこまでのずれを許容するか」を整理します。
Tシャツは身幅と着丈で決まる US製は同表記でも身幅が広い
Tシャツで最優先に見るのは身幅、次が着丈です。許容できるずれは、身幅で±2cm程度が目安になります。
肩幅は生地の落ち方で印象が変わるため、数値の優先度が下がります。US製のTシャツは、同じ表記でも身幅が数cm広い傾向があります。手持ちのTシャツとの差分で見れば、この傾向に振り回されずに済みます。着丈は、ボトムスにインするかどうかで許容幅が変わる項目です。
スウェットは肉厚な生地で大きめに感じる 洗濯後の縮み込みを見込む
スウェットは身幅と着丈を軸に見ます。生地が肉厚なぶん、同じ身幅でもTシャツより大きく感じます。
綿のスウェットは、洗うと着丈と身幅が詰まる個体があります。すでに何度も洗われた古着は縮みが落ち着いている一方、デッドストックに近い個体は購入後に縮む前提で選ぶと安心です。リバースウィーブ(編み地を横向きに使い、縦の縮みを抑えた仕様)は、丈が詰まりにくいぶん身幅の余りが目立ちます。着丈より身幅の差分を優先して判断しましょう。
▶ 洗濯後の縮みを抑える洗い方は 古着の洗濯方法を完全ガイド 色落ち・縮み・ニオイを防ぐ洗い方
デニムはウエスト実寸とわたり幅・裾幅で見る インチ表記と年代差
デニムはウエストの実寸を最初に確認し、次にわたり幅と裾幅を見ます。ウエストの許容は±1.5cm程度が目安です。
インチ表記は、同じW32でも年代とモデルで実寸が違います。加えて古着のデニムは、前の持ち主の着用でウエストが伸びている個体があります。裾上げ済みで股下が短くなっている個体も珍しくありません。定番モデルであっても、表記だけで選ばず1本ずつ測るのが確実です。
シルエットを決めるのは、わたり幅と裾幅の差です。年代によって型紙が引き直されるため、同じ品番でもテーパードの効き方に差が出ます。太もものきつさが気になる方は、わたり幅から見ると外しません。
スラックス・チノは股上と裾幅で印象が変わる
スラックスとチノパンは、股上を最優先で確認します。ウエストが合っていても、股上が浅いと腰の位置が下がって見えます。
股上が深い個体はウエスト位置が高くなり、脚が長く見えます。裾幅は、靴の甲にどれだけ生地がかかるかを決める数値です。裾上げで長さは調整できますが、股上と裾幅は後から変えられません。調整できない項目から先に判断するのが、ボトムス選びの鉄則です。
アウターはインナー分の余裕を見込んで身幅と肩幅を選ぶ
アウターは身幅と肩幅を軸に、中に着る1枚分の余裕を足して選びます。ニットやスウェットを想定するなら、身幅で+3cm前後を見込みます。
Gジャン、革ジャン、オイルドジャケットは、着丈が短めの型が主流です。インナーの着丈が長いと裾がはみ出すため、手持ちの服との重なりを先に確かめておきます。袖丈は、腕を前に出したときに手首が出すぎないかで見ます。厚手のインナーを着ると、袖の可動域は数cm分狭くなります。
シャツは肩幅と裄丈を優先し身幅は手持ち比で調整する
シャツは肩幅と裄丈(首の後ろの中心から肩を通って袖先までの長さ)を優先します。肩の縫い目が肩先からずれると、それだけで着崩れて見えるためです。
身幅は、羽織るのか1枚で着るのかで必要なゆとりが違ってきます。1枚で着るなら基準値に近づけ、羽織るなら余裕を足すと使い分けやすくなります。フィット名(各ブランドが独自に付けたシルエットの呼称)は、名称ごとに実寸が違います。気になるブランドがあれば、公式の採寸表を確認してから買いましょう。
素材で変わる縮みと伸び 1cm差で迷ったときの決め方
実寸が1cm差で並んだときは、素材の動き方で決めると後悔が減ります。
綿100%は、洗うと寸法が詰まる方向に動きます。ポリエステル混は寸法が安定し、買ったときの数値がほぼそのまま残ります。ウールは洗い方を誤ると縮絨(繊維が絡み合って縮む現象)が起き、元の寸法には戻りません。レーヨンは水を含むと縮むため、洗濯表示で家庭洗濯の可否を確かめてから選びます。
デニムとコットンシャツも例外ではありません。防縮加工が定着する前の年代の個体は、洗いで寸法が動いた状態で店頭に並びます。ジーンズを扱うブランドの公式案内でも、未洗いの製品は洗濯時に縮む可能性があるとして、縮みの目安を商品ごとに示すと説明されています。
ブランドごとに違うフィット呼称の読み方 公式の採寸表を出発点にする
ブランド名から実寸を当てにいくより、公式が公開しているフィット呼称の定義を読むほうが正確です。
Carharttは、公式のサイズガイドでフィットを3種に定義しています。Loose Fitは肩の縫い目が落ち、袖丈と着丈も長めに取られた型です。Relaxed Fitは体に近い線で、袖と着丈は短めに設定されています。公式は、チェストがサイズの中間に来る場合は大きい方を選ぶよう案内しています。
Championは、スウェットのリバースウィーブについて縦の縮みを抑える製法だと説明しています。両脇のガゼット(動きやすさを助ける当て布)が、横方向の縮みの影響も抑える仕様です。Levi’sの公式オンラインストアは、表記が米国サイズかインチであると明記し、購入前に商品ごとの実寸を確認するよう案内しています。
公式の採寸表が効くのは、現行品と同じ型が続いている場合に限られます。生産年が古い個体は、公式の数値と実物がずれます。公式は当たりを付ける道具として使い、最後は目の前の1着を測って決めましょう。
買う前に確認する古着のサイズチェックリスト
ここまでの判断材料を、レジに向かう前に見返せる形にまとめました。表記ではなく数値で答えられるかを、1項目ずつ確かめてください。
9項目のうち答えられないものが2つ以上あるなら、その1着は保留にしておきましょう。古着は同じ型が繰り返し流通するため、判断材料のそろった個体を待つほうが結果的に早く決まります。
古着のサイズ選びで迷ったら?FAQ
古着のサイズ感と選び方について、よく寄せられる質問をまとめました。
タグのS・M・Lは基準にせず、身幅と着丈の実寸で判断します。手持ちで一番よく着ているTシャツを平置きで測り、その数値との差分で比べます。US製は同じ表記でも身幅が数cm広い傾向があるため、表記だけで選ぶと大きすぎることがあります。
洗濯による縮みや伸び、年代ごとの型紙の変更、タグの摩耗や付け替えが主な原因です。サイズ表記は参考値として扱い、着丈・身幅・肩幅・袖丈の実寸で最終判断します。平置き実寸には1〜2cm程度の誤差が出る点も見込んでおくと安心です。
通販やフリマでは、出品者に平置きの実寸を問い合わせます。店舗ではメジャーを持参するか、試着ができるかを確認します。実寸が分からないまま買わないことが、サイズ失敗を避ける基本です。
すべての古着に共通する統一のサイズ表は存在しません。ブランド・年代・生産国で基準が違うためです。US・EU・日本の換算表は出発点として使い、最終判断は実寸で行います。
肩幅と袖丈が余りやすいので、肩を落として着る前提でサイズを選ぶか、着丈の短いものを選びます。ウエストの位置で形を作れるアイテムなら、身幅が大きくてもバランスを取りやすくなります。
US規格のXL・2XL、キングサイズ表記、1980〜90年代のボックスシルエットが代表的です。ただし同じXLでも年代によって身幅に差が出ます。表記だけで選ばず、身幅と着丈の実寸で確かめましょう。
裾上げやウエスト詰めなど、部分的なお直しで調整できる場合があります。大幅なサイズダウンは形が崩れるため難しく、ヴィンテージは手を入れると価値が下がることもあります。依頼前に店舗へ相談してください。
手持ちで一番よく着ている服を平置きで測り、その数値を基準に比較します。試着できる店では、肩の縫い目の位置と、腕を上げ下げしたときの突っ張りを確認します。数値と着心地の両方で判断すると失敗が減ります。
まとめ:古着のサイズ感は実寸と手持ち比較で決まる
古着のサイズ選びは、3つの手順に落とし込めます。第一に、タグ表記ではなく実寸9項目で判断すること。第二に、手持ちで一番よく着ている服を測って基準値にし、差分で選ぶこと。第三に、狙うシルエットの加算目安に収まるかで、買うか見送るかを決めることです。
数字で判断できるようになると、古着選びはぐっと気楽になります。まずは実際の店舗で、手に取ったときのサイズ感を確かめてみてください。